会概要

ごあいさつ

コロナが5類に移行して2年が経過しました。コロナ禍では、教育活動の変更や行事の精選、実施時期の変更等、様々な見直しが図られたことと思います。そして現在、既にコロナの制約が解かれた今、学校は以前の姿に戻ったわけではなく、災禍に見舞われながらも、そこで得られた新たな気付きや価値観を基に、令和の日本型学校教育に大きく前進することができました。
ただ、その歩みはまだ途上にあります。例えば、コロナ禍で一気に進んだGIGAスクールについて、構想が打ち出されて5年。デジタル教科書の本格導入や全国学力学習状況調査での理科のCBT化など、デジタル端末の活用が第2ステージを迎えていると言われています。そのような中、文科省による実態調査の結果を見ますと、本県では「ICT環境の整備」については、近年では全国平均を上回る傾向が見られる一方、「教員のICT活用指導力」は、全国平均よりも低い状況が続いています。
現在、国の方ではデジタル学習基盤が整備されてから初の新たな学習指導要領について、中教審で話し合いが進められています。諮問では、多様な子供に対応できるよう、学校現場の裁量拡大による教育課程の柔軟化の検討が要請され、一コマの授業時間を5分短縮するといったことが言われています。デジタルによって効率化が図られ、生み出された時間を教育の質の向上に如何に結び付けるか、2030年度からの実施に向けて、教師のデジタルリテラシー養成のための仕組みを校内でいかに構築していくかなど、その土台づくりを今から整備していかなければなりません。
次に、部活動の地域展開について、この課題に向けた新たな仕組みづくりが、いよいよ待ったなしの状況となっていまいりました。まず休日の部活動をどうするか。それぞれの自治体から方針等が打ち出されていることと思いますが、生徒のニーズに応じた多種多様な体験の機会が保障され、生徒の活動を絶やさない環境づくりが必要不可欠です。
他にも、全県的に、初任層や2校目に異動したばかりの教員のメンタル不調による病気休暇や休職、そして離職するケースが問題となっています。デジタル技術と共に育ち、コスパ・タイパ重視と言われるZ世代は、その答えをインターネットから得ようとする傾向が強いと考えられます。校長はZ世代の育ってきた背景とそこで培ってきた価値観を理解し、デジタルリテラシーが高いなどといった彼らの強みを生かす経営に配慮していくことが、若手世代を、そして学校を生かすことにつながっていくのではないでしょうか。
人口減少、少子高齢化が加速度を増す中で、あと25年もすれば日本の人口が約1億まで減少し、生産年齢の人口比率は約5割になると予測されています。外国人の占める割合が、欧米並みになるとも言われています。また、諸外国に目を向ければ、終わりの見えない複数の戦争が起きており、尊い命がはかなくも失われていく状況が連日続いています。このように不確実性が増す中で、平和を願い、夢と志をもって他者と協力し合い、新たな、そしてグローバルな社会を創り上げる、その人づくりとそれを担う教師集団づくりが、今、校長に課せられた大きな使命だと強く感じております。
依然として学力向上や不登校・いじめ、働き方改革など、課題は山積しています。しかし私たち校長は、決して先送りせず、一つ一つの課題に真摯に向き合い、宮城県中学校長会は一枚岩となって令和の日本型学校教育の実現に向け歩み続けてまいりたいと思います。今後も皆様から御指導、御支援を賜りますようお願い申し上げ、挨拶といたします。

令和6年12月
宮城県中学校長会長
亘理町立亘理中学校長 佐々木 晃

 このホームページは,会員並びに県民の皆様に本会の日頃の諸活動の一端を紹介するために作成したものです。ここに掲載される記事および写真等すべての著作権は、宮城県中学校長会に帰属します。

宣言

今日、我が国の教育は人格の完成を目指し、伝統と文化を尊重するとともに、豊かな人間関係で満たされる持続可能な社会の創り手を育成する使命を担っている。
私たちは、自然災害や新たな感染症の発生、グローバル化の進展や急速な技術革新など社会状況が変化する中、新しい時代の中学校教育の課題に対応するとともに、自らの責任において全日中新教育ビジョンに基づく学校からの教育改革を推進し、新たな中学校教育の創造に努めなければならない。
宮城県中学校長会は、東日本大震災による被災からの再生と全ての子供たちの可能性を引き出す学びの充実、教育改革の推進を第一義に、これまでの成果の上にたって、当面する教育課題の解決を図り、特色ある学校づくりに努め、県民の付託に応える決意である。
ここに、第76回総会に当たり、下記事項を決議し、その実現に期する。

決議

一 人間尊重の精神に徹し、「社会を生き抜く力」や「よりよい社会を形成する力」を育む教育を推進する。
一 学習指導要領に基づく特色ある教育課程を編成・実施・評価・改善し、確かな学力の定着、豊かな心と健やかな体の育成を推進する。
一 現在の教育課題に即した研修を充実し、教職員の資質・能力の向上と使命感の高揚に努める。
一 創意ある教育活動を展開し、家庭・地域社会の信頼に応える開かれた学校づくりに努める。
一 教育活動の活性化を目指し、人的措置をはじめ確固とした教育条件の整備・充実を期する。
一 「義務教育費国庫負担制度」及び「人材確保法」を堅持し、教育水準の維持向上を期する。
一 引き続き「学校における働き方改革」を推進し、教職員の勤務実態を踏まえ、有効かつ持続可能な指導・運営体制の構築を期し、新しい時代に求められる学校づくりに向けてリーダーシップを発揮する。
一 東日本大震災をはじめ近年多発する災害等により被害を受けた地域の復興を期し、教育活動の充実に向けた支援と防災教育・安全教育の一層の充実に努める。

令和7年5月30日
宮城県中学校長会

事務局

名称宮城県中学校長会事務局
所在地〒985-0851 宮城県多賀城市南宮字八幡170 多賀城市立第二中学校内
電話番号022-309-1351
FAX番号022-309-1352